飲み会が増える季節 転倒や打撲を軽く見てはいけない

お酒好きは要注意だ(C)日刊ゲンダイ

「頭が重い感じがすることから始まり、血腫が大きくなるにつれて脳を圧迫し、強い頭痛が表れます。血腫場所によっては手足が動きにくいとか歩きにくいといった軽いマヒ症状が出ることも。物忘れがひどくなり、精神的に錯乱する人もいます。特に高齢者は血腫による認知症の症状を、加齢によるものと勘違いされ、精神科の受診を勧められることが多い」(福永医師)

 放置して血腫の圧迫が脳ヘルニアまで進行すると、脳の奥にある生命維持中枢の脳幹が侵され、死亡することもある。

「慢性硬膜下血腫の患者さんは60歳以上が半分を占めますが、40代、50代も少なくありません。2~3月は雪に足をとられて転倒して発症する人が多いのですが、これからの季節はお酒を飲んだ男性の患者さんが目につきます。出血しやすいからです。脳梗塞や虚血性心疾患、不整脈、糖尿病の人などで血液をサラサラにする薬を飲んでいると、さらにリスクが高まります」(福永医師)

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