愉快な“病人”たち

声帯を削った昆夏美さん「新しい喉で新たな可能性を」

昆夏美さん(C)日刊ゲンダイ

 実は今も従来の声ではありません。でも、それは仕方がないこと。私の喉は手術で削られ、今までのそれとは変わったのです。例えるなら、生後まだ11カ月の赤ちゃん。今は元の声を取り戻すのではなく、新しい喉で新たな可能性を広げていこうと思っています。

 病気を通して学んだことは“マインドコントロール”です。マイナスなことが起こっても、気持ちをプラスに持っていくことが少しできるようになりました。

 舞台を休演したときは出ている人が羨ましくて、悔しくて、ねたましくてどうしようもありませんでした。優しい励ましの言葉に苛立ってSNSも遮断して、自分の殻に閉じこもってばかり。そんな自分に嫌気がさす……という悪循環。特にひどかったのは、手術を決めるために悩んだ1週間です。人生で一番嫌な自分を味わいました。

 そのとき思ったんです。“自分が上を向かなきゃ何も変わらないんだ”ということを。「喉が強い」と自信過剰になっていた自分も反省して、人並みに喉のケアをするようになりました。以前は、パワーと気合だけでしたからね(笑い)。今は舞台がコンディションのピークになるように心がけています。

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