心房中隔欠損と同様に無症状ならば治療を待てる場合も多いのですが、心不全を起こしたとなると手術が必要です。
■心臓はしっかり治せば長生きできる
ゴアテックス製のパッチを当てて穴を塞ぎ、肺静脈が左心房に還流するように修復しました。先天性の心臓疾患なので、一般的には小児の頃に小児外科専門の医師が行う手術になりますが、手術自体の難易度は、やや応用編寄りの入門編といったところで、それほど難しいものではありません。ただ、荒っぽく処置してしまうと術後に不整脈の後遺症が表れることがあるため、やはり確実で丁寧な処置が必要です。もちろん、手術は無事に終わり、彼女の心臓は完全に元の病気がない状態に戻りました。
手術の後、しばらくしてから再び子供を授かり、彼女は2人の子供を育てる母親になりました。もう40歳を越える年齢になりましたが、心臓の状態は問題なく順調に推移しています。今は1年に1回、診察で顔を合わせます。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」