Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

子宮頸がんが再々発 古村比呂さんが語った「共存」の真意

古村比呂さん(C)日刊ゲンダイ

 そういう中での「共存発言」です。番組では、同居する子供のサポートについても触れていました。「(子供が)いろいろ助けてくれますし、頼もしいですね。しんどいなというときも、『しんどい? そんなときもあるよね』と流してくれます」と子供に勇気づけられている様子がうかがえるでしょう。

■迷ったらやめておく

「力むと疲れてしまう。いつも力を入れてファイティングポーズを取るのはつらい」

 苦しい再発を乗り越えてきたことで、力の抜き方を覚えたのでしょう。それが、「共存」につながったと思います。

 なぜ、それが大切かというと、「迷ったら、やめておく」が、がん治療の鉄則だと思うからなのです。

 がん患者は、病気を克服しようという気持ちが強く、次の治療、新しい治療を求めがちです。しかし、たとえば、抗がん剤治療を繰り返して、白血球が低下したような状態では、重篤な感染のリスクが高まります。とにかく無理をしないことが第一。白血球の減少は、多くの抗がん剤で見られる副作用ですから。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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