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【線維筋痛症】投薬治療で75%は痛みが半分以下に改善

岡寛院長(提供写真)

 FMは、体の広範囲にわたる痛みが3カ月以上続き、体にある痛みを感じやすい18カ所の圧痛点を指で押し、うち11カ所以上に痛みがあれば診断される。

■医師は患者と痛みの度合いを共有すること

 明確な原因は分かっていないが、脳の痛みを感じる神経が過剰に働いたり、痛みを抑制する神経の働きが低下したりする「脳の機能異常」と考えられている。

「患者さんは誰にも痛みを理解してもらえず、途方に暮れて来院されます。治療を始めるに当たり、最も大切なのは医師が患者さんの痛みを肯定し、患者さんと医師が痛みの度合いを共有することです。それには電気刺激を用いて痛みの程度を数値化する『ペインビジョン』という装置を使って測定することで客観的な評価ができます」

 しかし、ペインビジョンは高価なため、導入している医療機関は限られる。

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