これからのがん医療は、個々の患者のゲノムの解析によってがんの発生、再発の可能性も分かるようになり、遺伝子パネルを調べて適切な治療薬を選べる時代になります。ここでも、AIが活躍するでしょう。
■医師がいかにAIを利用した医療ができるかが大切
先日、1年に1度の気の合う仲間5人が集まる会合でもAIのことが話題になり、いろいろな意見が飛び交いました。
AIという産業革命で公務員は半分になってしまうのではないか。医師は必要なくなる? 患者は機械に命を委ねることができるのか。自動運転車では乗っている人は機械に命を委ねることになるが……。人の心の悩みをAIは解決できるのか。AIは患者の目を見て、瞳孔や表情の変化を認識して心まで読むようになるのだろうか……。
人間には、情、魂、祈り、そして限られた命があります。しかし、AIにはありません。「患者と一緒に悩む」のが臨床医であり、それが医師としての生き甲斐でもあります。そこに患者の信頼が生まれ、「血の通った医療」になるのです。AIは患者と一緒に悩むことはできません。
がんと向き合い生きていく