経口ステロイド薬が減量できる「重症喘息」新薬の実力

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「ベンラリズマブの特徴は、『直接的に』『速やかに』『気道まで』です。NK細胞を誘導し好酸球を直接的に除去。24時間以内に末梢血中の好酸球を除去し、3日以内に気道の血中好酸球を0%まで低下させ、喀痰中好酸球も12週後には0%まで低下させます」

 重症喘息の患者は、しばしば喘息の増悪を繰り返す。対処が遅れれば死に至る。この喘息増悪に大きく関係しているのが好酸球だ。重症喘息の半数以上が好酸球性喘息というデータもある。

「高用量吸入ステロイド薬を用いる血中好酸球数300以上の患者さんを対象に、ベンラリズマブ群とプラセボ(偽薬)群を比較した臨床試験では、年間喘息増悪率を83%有意に低下させました。また、4週間という早期で呼吸機能を改善し、その効果は48週まで維持されました」

 高用量吸入ステロイドを用いる血中好酸球数150以上の患者では、ベンラリズマブで症状のコントロールが可能になるのに反比例して、経口ステロイド薬の1日用量を75%減少できるという結果も出た。

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