患者が語る 糖尿病と一生付き合う法

糖尿病10年 非典型的サインの低血糖で意識障害起こし昏倒

平山瑞穂氏(C)日刊ゲンダイ

 インスリンを打った後に十分な量の食事を取っていたとしても、何かの加減でインスリンが効きすぎてしまい、低血糖に陥ることは往々にしてある。

 とはいえ、目のかすみ、手の震え、意識の散漫化など低血糖の兆候を見逃さず、速やかに糖分などを補給できるなら、そう恐れるには当たらない。仮に眠っている間に低血糖が起きたとしても、たいていは異常な発汗、説明のつかない激しい動悸などで自然に目が覚め、結果として対処することができる。

 いや、「ある時期までは対処できる」と言うべきかもしれない。

 折々に低血糖に見舞われる生活を長年続けていると、次第に体が慣れてしまい、兆候が明らかな形では出にくくなる。なんだか頭がボーッとするな、と怪しんで血糖値を測ってみると、意識を失う寸前くらいまで下がっていたりする。

 僕の場合、糖尿病と診断されて10年目くらいからその傾向が強まり、ある時ついに、意識障害を経て昏倒するに至った。しかも、就寝中の出来事である。

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平山瑞穂

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

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