男性も知りたい女性の尿トラブル 原因と対策法を医師に聞く

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 重症の腹圧性尿失禁なら手術も選択肢になる。従来はTVT手術、TOT手術が主流だった。ともに腟壁を小さく切開し、ポリプロピレン製のテープを入れて尿道を支える。TVTではテープを下腹部から、TOTでは内ももの付け根から外に出す。しかし、出血量が増えたり、膀胱や恥骨の血管を傷つけることもあった。

「TVT手術の欠点を克服する形のTFS手術は、尿道の下を通したポリプロピレンテープの先端を同素材のクリップで恥骨下の尿生殖隔膜に装着します。合併症リスクが少なく、重症例にも対応できるのがメリットです。静脈麻酔と局所麻酔で実施するため日帰り手術も可能で、手術後の痛みもほぼありません」

 TVT、TOTは保険適用、TFSは、いまのところ自由診療だ。

 過活動膀胱は、膀胱にボトックスを注射し、膀胱の神経に作用して膀胱の収縮を抑制する方法、脊髄の穴に電極を入れて刺激を与え、骨盤底筋の強化や膀胱や尿道の神経を調整する脊髄刺激療法などがある。脊髄刺激療法は、保険適用となっている。膀胱ボトックス注射療法も、数年以内に保険適用になる予定である。

「女性が外出したがらなくなった、テニスなどのスポーツ系の趣味をやめてしまった、夜何度もトイレに起きているようだと思ったら、尿のトラブルを抱えている可能性があります。その場合は『女性は大変だね』と一般論として話題に出すといいかもしれません」

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