がんも治療可能な時代 病院が風邪治療に消極的なのはなぜ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「風邪ウイルスも自身の子孫を残すため、毒性を弱めて人間と共生している微生物の仲間に加わろうとしているとの考えがあります。何世代にもわたり、人間に感染して体内に居場所を見つけようとしているというのです。だから生活によほどひどい障害が出ない限りは積極的に治療する必要はないと考える医療関係者もいます」

 ちなみにインフルエンザも風邪の一種。健康な人なら特別な治療薬などなくても自然と回復する。

 ただし、感染力・病原性が強く生活への影響が風邪の比ではないため、特別の措置をとっているにすぎない。

■風邪薬は意外に怖い

「風邪薬は症状を緩和しても、風邪は治しません。これは医者の常識です。風邪薬で風邪が治ったという人は薬で症状を抑えている間にヒトの免疫反応により風邪が治った可能性が高い。風邪の8割以上を占めるウイルス性の風邪に抗菌薬は効きません。むしろ、風邪薬には多数の副作用が報告されている。必ず治る風邪のためにリスクを冒す必要はない、という医療関係者も少なくありません」

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