患者が語る 糖尿病と一生付き合う法

野菜補給目的の「追加」が実は…炭水化物増しの落とし穴

平山瑞穂氏(C)日刊ゲンダイ

 前回、大量のせんべいをおやつとして平らげて、管理栄養士さんを絶句させた患者の話をしたが、彼はそもそも、せんべいが糖質の塊だということを理解していなかった可能性もあると僕は思っている。

「血糖値」にせよ「糖質」にせよ、「糖」という文字がキーになっているところが、ある意味ではくせものなのだ。同じおやつにしても、大福などの甘い物でさえなければ、それほど量を気にしなくてもいいと思っているのかもしれない。

 甘い物以外で血糖値を急激に上昇させる食材として要注意なのは、何といっても米に代表される炭水化物の類いだ。食事療法をマスターした時に、僕はそれを繰り返し頭に叩きこまれている。

 外食でありがちな落とし穴のひとつは、肉料理などの「付け合わせの野菜」だ。野菜といっても、それがイモ類やコーンなどでは、その分パンやライスを追加して食べているのと同じことになってしまう。

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平山瑞穂

平山瑞穂

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

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