独白 愉快な“病人”たち

手術後はサイボーグになった…北村肇さんが直腸がんを語る

北村肇さん(C)日刊ゲンダイ

 実は子供の頃から病気がちで、小学2年生のときに肺結核を患って以来、年中、風邪をひいていたし、胃腸の具合も悪かった。

 大人になって、著名な中医学の先生に診てもらったとき、「アナタ、カワイソウナヒトネ」と言われました。こんなに虚弱体質で、よく生きていられるなという意味だったらしいのですが、体調が思わしくないことに慣れているから、自分にとっては、その状態が普通だったんです。

 そもそも僕は、健康診断は受けない、病院には行かない、インフルエンザの症状が出たら熱い風呂に入って2~3日寝るという具合で、たとえ重篤な病気でも、いずれ自然と治っていくだろうと考えていました。根拠のない自信です。

 ところが、昨年の暮れ、そんな僕でもおかしいと感じる症状が表れました。

 もともと下痢症なのに便通が悪い。トイレに行きたくて駆け込むのに便が出ない。出れば下痢……。そのうちにお腹が膨らんで、そこにガスがたまっているのが分かる。その頃、喫茶店で打ち合わせをしていたら、鼻血が出てね。5分くらい止まらずに、みんなに心配をかけて、翌朝再び鼻血が出て止まらなかったこともありました。

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