糖尿病治療の“定番薬” 意外な「効果と副作用」を医師解説

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 メトホルミン850ミリグラムを1日3回服用群と、プラセボ服用群に分けて4.3年間治療比較したところ、ビタミンB12値が19%減少したうえ、プラセボ群に比べて「ビタミンB12欠乏症」リスクが7.2%増加したという。その後同様の報告は国内外で行われている。

「メトホルミンは古くからあるビグアナイド系の経口糖尿病治療薬です。日本では1961年から使われています。筋肉細胞でのインスリン抵抗性を改善してブドウ糖の利用を促したり、肝臓で貯蔵しているグリコーゲンを分解してブドウ糖を供給する『糖新生』を抑制したりして血糖値の上昇を抑えます」

 ただし、この薬は開発以降評価が安定していたわけではない。

 フェンホルミンと呼ばれる同じビグアナイド系の別の2型糖尿病治療薬で多数の乳酸アシドーシスと呼ばれる重篤な副作用が多発。70年代後半から使用が敬遠されてきた。

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