天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

血栓ができやすいかどうかは「CHADS2スコア」を活用する

順天堂大学医学部付属順天堂医院の天野篤院長(C)日刊ゲンダイ

 危険因子のひとつになっている「高齢」だけはどうしようもないと考えがちですが、そうとも言えません。もし75歳であれば、「まわりから75歳に見られない」ということが大事になってきます。医学的な見地からすると必ずしも正確とはいえないかもしれませんが、これまでの経験上、外見や行動がはたから見てとても75歳以上とは思えず、「60代にしか見えない」とか「行動が若い」と言われる人は、高齢が危険因子から外れているケースが多いのです。

 今後も75歳以上が総人口に占める割合が増えていく日本では、そうした考え方を持っておくことがますます重要になってくるでしょう。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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