そんなBさんに私の考え方を伝えました。
「抗がん剤治療をやるかやらないかは、もちろん本人が決めることです。延命の意味があるかないか、これも本人の考え方次第と思います。結果はどうなるかは分かりませんが、私は抗がん剤治療を勧めます。あなたに本当に効くかは分かりません。でも、延命効果が科学的に証明されているのに、やらないのはもったいないと思います。70年間生きてきたと言われますが、これからの人生に何が待っているか分かりません。延命の意味は、たとえ1年でも生きていてこそ何かが出来る、何かを味わえるチャンスがあるのです。つらいこともあるでしょうが、楽しいこともきっとある。私なら、『生きていてよかったと思える時がある』と、そう希望を持って生きていたいと思います」
■生きていてこそ幸せを感じるチャンスがある
がんと向き合い生きていく