後悔しない認知症

高島忠夫さんの家族が知らずに悔やんだ介護サービス

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「なぜもっと優しくしてあげなかったのか」

 認知症の親を見送った子どものほとんどがそんな思いに駆られるようだ。施設に親を入居させた子どもでも、最期まで在宅介護をした子どもでも、多かれ少なかれそんな後悔の念を抱く。とりわけ在宅介護で親を見送った子どもの多くは「もっと話を聞いてあげれば」「なぜあんなに感情的になったのか」などと、自分を責めてしまうケースが少なくない。

 高齢の親の認知症が進行すれば普通のコミュニケーションが不可能になるばかりか、歩行の介助をしたり、排泄の世話をしたりで、子どもの負担は極めて大きくなる。現役世代の子どもの場合、どんな職種であれ、介護による仕事への影響も少なくはない。会社勤めなら、出社時間を遅らせたり、早退を余儀なくされたりすることもあるだろう。

 経済的な負担ものしかかる。心身ともに疲れ果てた子どもが親に対して多少冷静さを欠いた言動に出たとしても、一方的に責めることはできない。いずれにせよ、親にとっても、子どもにとっても不幸なことだ。

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和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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