後悔しない認知症

若い頃から怒りっぽい人、威張る人ほど認知症の進行が速い

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実際、私の経験から考えても、怒ったり、威張ったりせず、よく話し、よく笑う患者さんは、認知症の進行がゆっくりのケースが多い。診察の際に何かを尋ねても「忘れました、ハハハ」とアッケラカンと笑い飛ばす。当の本人はもちろん、周りの家族も怒ったり、塞ぎ込んだりしないことが大切なのだ。

 認知症になっても安心して暮らせる社会をつくるために、市民一人一人が支え合うことが大切であると述べた上で、長谷川氏は対談の最後に、認知症になることについて神様からのメッセージであるとして、こう述べておられる。

「大丈夫だよ、死ぬのはなんともないよ。だから安心していきなさい、怖がることはありません」

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和田秀樹

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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