医療情報の正しい読み方

コホート研究にもある重大なバイアス 「交絡因子」とは?

写真はイメージ(C)PIXTA

 乳幼児のインフルエンザにかかる率がそれ以外に対して2倍だとすると、冷え体験があるグループのインフルエンザの増加は、乳幼児が多いことを反映しているだけで、冷えとの関係は見せかけにすぎないというわけです。

 この状況を、多くの冷え体験が報告された乳幼児にインフルエンザが多いことが交絡(同=ある結果について2つ以上の要因が考えられ、それぞれの原因がどの程度結果に影響しているか区別できないとき、これらの要因を交絡しているという)した見かけ上の関係というわけです。そして、この乳幼児という因子を「交絡因子」といいます。コホート研究の結果は交絡因子の影響を考慮して検討しなくてはならないのです。

 この交絡因子は、実はコホート研究だけにかかわるバイアスではありません。症例対照研究においても重要なバイアスのひとつです。このバイアスを避けるためには、「マッチング」「多変量解析」という統計手法で対応できます。マッチングや多変量解析で交絡因子を調整した観察研究の結果は、より妥当なものと判断できます。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。

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