医療情報の正しい読み方

「地球温暖化」と「炭酸ガス濃度」と「平均気温」の関係

欧州で熱波が続き独仏で42度、 エッフェル塔を望むトロカデロ庭園の池で涼む人々(ゲッティ=共同)

 少し横道にそれましたが、この研究から言えることは「炭酸ガス濃度」と「平均気温」の相関関係であって、因果関係ではありません。ラーメン店を減らして脳卒中死亡は予防できるかどうか、はっきりしないのと同様、炭酸ガス濃度を減らして気温が下がるかどうかはこの研究からだけではよくわからないのです。そしてこれが異常気象を防げるかというと、さらにはっきりしません。

 科学的な領域でこれらの関係を相関ではなく因果関係として示した研究について、どうなっているのか興味があるのですが、そこにはまだ見解の対立があるようです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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