Dさんは喫煙と飲酒の習慣があります。たばこは1日20本を約30年間、お酒は毎日ひとり晩酌を続けてきました。1カ月前から食べた物が胸につっかえる感じがあり、ちょうど行われた会社の健診を受けると、内視鏡検査で食道がんが見つかりました。
後日、午前中からB病院を受診。担当医は消化器科の若い女性医師でした。
「進行した食道がんですが、肺や肝臓に転移はなさそうなので手術できそうです。手術はせずに放射線と抗がん剤治療という方法もあります。午後2時ごろに詳しく説明します」
そう言われたDさんは昼食をとってから再び外来診察室を訪れました。
担当医は、手術した場合の後遺症や合併症のリスク、入院期間、手術せずに放射線・抗がん剤治療を受ける場合の副作用、入院期間、そして治療法による生存期間の差がないことなどを図に描いて詳しく説明してくれました。
がんと向き合い生きていく