血管・血液を知る

白血球の2割~4割 病原体を攻撃する「リンパ球」の機能

中国・武漢の病院で新型コロナウイルスによる肺炎の発症者の手当てをする医療関係者(C)共同通信社

「T細胞」と「B細胞」の機能は、こればかりではありません。活性化後に、さらに「メモリー細胞」としての機能も備えています。個々の特異的病原体に遭遇したことを記憶に残し、再び同じ病原体を発見すると、強力かつ素早い応答を開始します。

 全てのリンパ球は、前駆細胞(幹細胞から発生して体を構成する最終分化細胞へと分化できる細胞)が起源になります。

 骨髄などから未熟なまま産出したリンパ球は、やがてリンパ節(わきの下、脾臓、足の付け根など)に移動し、そこで増生、成熟しながら待機し、体に侵入してくる病原体に闘いを挑むのです。

3 / 3 ページ

東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

関連記事