ただ、都市部の特定機能病院や中規模・大規模病院が新型コロナへの対応をさらに増やしたとしても、感染者が増えていけばいずれ確保したベッド数から患者があふれます。そうした患者は、次に呼吸器の重症者を診ることができる一般病院が受け入れることになります。
しかし、そのような一般病院は医師も専門性が高いとはいえないうえ、高度な治療を行える設備も揃っていません。一般的な病院でできる肺炎治療で対応することになるので治癒率が低くなり、新型コロナ患者が長期にわたってベッドを占有する可能性が高くなります。
そうしたパターンで一般病院のベッドが埋まると、その次の新型コロナ患者はさらに人も設備も足りない施設が診ることになります。そうなると、治癒する見込みがどんどん少なくなって死亡者も増えていくのです。ここまで来ると、中国・武漢であったような「新型コロナの患者を新たに見つけるのがよくない」とか「病床が埋まっているのに運ぶ方が悪い」といった責任のなすり合いが始まります。それが完全な医療崩壊の姿です。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」