進化する糖尿病治療法

起床時の頭痛とだるさ、日中の眠気は「小顔」に原因あり

やせ型で小顔でもSASのリスクが高くなる(C)日刊ゲンダイ

 女性は、別の病院の脳神経外科も受診。やはり脳のMRIは異常なし。頭痛には、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍など命に関わる病気の可能性も考えられますが、いずれも否定されました。

 原因が分からず心配になった女性は、医者の夫を持つ会社の同僚に相談。「起床時の頭痛」「血圧、血糖値が高い」という情報を伝えると、同僚を通して「起床時の頭痛があるのなら、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではないか。日中の眠気、朝起きた時の体のだるさや疲労感などはないか」と聞かれました。

 いずれも、当てはまることばかりで、睡眠の専門クリニックを受診。問診、簡易検査、精密検査を経て、SASの中等症と診断され、気道に空気を送り続けて、寝ている間の無呼吸を防ぐCPAP療法を始めたところ、起床時の頭痛や体のだるさ、疲労感、日中の眠気が解消されました。

■血糖値の上昇にも関係していた

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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