独白 愉快な“病人”たち

1日でも長くリングに…格闘家のノブハヤシさん白血病を語る

ノブハヤシさん(C)日刊ゲンダイ

 大学病院で血液検査を受けると、耳鼻科から血液内科へと回されたので「困ったな」と思いました。というのも、格闘技では肝炎やエイズになると試合ができないルールがあり、血液内科と聞いて、まずそれが頭に浮かんだのです。それが、診断は「急性骨髄性白血病」でした。すぐさま医師に「治ったら試合できますか?」と尋ねたら、「できます」と言われました。それで、僕はむしろホッとしたんです。

 しかし、関係者は一気にザワついて、試合の中止やマスコミ対応で混乱したようです。なにより格闘技界で白血病といえば、急逝した故アンディ・フグ選手の記憶が強く、後から聞いた話ではみんなが最悪の事態を想像したようでした。

 即入院となって、無菌室での抗がん剤治療が始まりました。初回が一番危なかったみたいです。40度の高熱が出て、体がブルブル震えました。よくわからない先生が僕の周りにたくさん集まっているのを見て、「死ぬときってこうなるんだな」と思ったのを覚えています。

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