独白 愉快な“病人”たち

仕事ができなくなっちゃう…声優の森川智之さん喘息を語る

森川智之さん(C)日刊ゲンダイ

 でも幸い、発作は大抵夜に起こるので、現場で迷惑をかけることはありませんでした。そんなある日、とある声優の先輩が「俺も喘息なんだよ」と、休憩中の雑談で話していたんです。いろいろ聞いてみると、声優界にも喘息の方が何人かいることが分かり、「それなら隠すことないな」と肩の荷が下りました。

■普段の生活から気管を大切にしておく

 それからは主治医に相談して、細かく仕事内容やスケジュールを伝えながら、薬の種類や量、タイミングなどを適切に調整してもらうようになりました。それまでの通院はただ薬をもらいに行くだけで、多少違和感があっても医師には「いえ別に大丈夫です」と言ってしまう患者でした。でも、ちゃんと伝えたほうが医師も方針を立てやすいんじゃないですかね。とにかく自分の体調にアンテナを張って、微妙な変化に気づくよう心掛けました。今はちょっとした違和感でも即病院に行っていますし、ガマンはしません。ただ、薬が必要な状態というのは、体調をコントロールできていないということなので、「いかに普段の生活から気管を大切にしておくか」がこの病気とうまく付き合うポイントだと思います。

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