一方で、コレステロールを下げることで、糖尿病患者の心血管障害の発症リスクが低下することが、複数の臨床実験で明らかになっています。ある研究では、コレステロールを下げることで、糖尿病患者の心血管疾患の発症リスクが30%低下するとの結果が出ました。
■「低ければ低いほどいい」という考えも
では、どれくらいまで下げるのがベターなのか? 欧米では臨床現場において、LDLコレステロールを70㎎/デシリットルまで下げろ、いや50㎎/デシリットルまで下げても問題ない、といわれています。私たちが母親の胎内にいた時、LDLコレステロールは30~40㎎/デシリットルほどしかないので、いくら下げても体に害はないだろうと考えられているのです。総コレステロールの値を下げるとともに、悪玉コレステロールが高かった時の半分の数値を目指すことを目標に治療が行われます。
進化する糖尿病治療法