それに対し、日本でのLDLコレステロールの管理目標は、1次予防では120㎎/デシリットル、冠状動脈性心疾患を一度起こした人の2次予防では100㎎/デシリットルとなっています。ただし、喫煙、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病、末梢動脈疾患、非心原性脳梗塞、主要危険因子の重複など「ほかの高リスク病態」を糖尿病と合併している時は、2次予防の管理目標はより厳格に70㎎/デシリットルとなります。LDLコレステロールを下げたほうがいいという点については欧米と一致していますが、欧米人と日本人とではデータが違うので、日本人では「50㎎/デシリットルまで下げろ」とはならないのです。
LDLコレステロールを下げる上で大切なのは、まず食生活の改善。食事療法や運動療法は欠かせません。卵やレバーなどコレステロールの多い食品に関しては、常識の範囲内で摂取を。コレステロールは体内で合成できる脂質で、食事で摂取するコレステロールによる影響は少ないといわれているものの、コレステロールが高い人が1日に卵を4個も5個も取ることはおすすめできません。
進化する糖尿病治療法