独白 愉快な“病人”たち

紙芝居師に出会って救われた…かみはるさん股関節症を語る

かみはるさん(提供写真)

 骨延長術という手術は、大腿骨に骨を延長させるためのアナログな器具を取り付けます。術後は、太ももに太めのピンが等間隔に4本刺さっていました。器具に付いているネジをギリギリ回して、2~3日に1ミリぐらいずつ骨を伸ばしていくんです。器具はむき出しで、ピンが刺さった部分は化膿してしまうし、痛くて重くて、あれは本当に一番つらかったです。

 入院は半年ぐらいで、その器具がくっついたまま退院して、くっついたまま通学しました。袋をつくって隠していましたけれど、ぶつかったり、引っかかったりして不自由でしたし、お風呂に入っても湯船につかれない日々が1年ほど続きました。

 器具が外れたのは中学2年生の夏。それからしばらくは跳んだりはねたりができるようになって、高校3年間も普通に楽しく過ごせました。「脚が悪かったのは過去のこと」と思い、痛くても少し無理をして普通の人と同じように、杖もつかず生活しました。脚が悪いことを周りに知られるのがどうしても嫌だったんです。

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