独白 愉快な“病人”たち

つらさが理解されない…上矢えり奈さん「内斜視」との苦闘

上矢えり奈さん(C)日刊ゲンダイ

 すると、ファンの方々がそれぞれの地元の名医の情報を教えてくれたのです。その中のひとつに私の地元・静岡の眼科医があり、「ここ、いいかも」となんとなく運命を感じたことが転機になりました。

■眼帯が取れたときの感動は忘れられない

 訪ねてみると、簡単な斜視の検査をしただけで「これ、開散麻痺だね。手術できますよ」と言うではありませんか! それまでどこへ行っても「原因が分からないから手術できない」と言われてきたのに、急に救われて未来が明るくなりました。感動しすぎて「本当に手術できるんですか?」と5回ぐらい聞き返した気がします。それが6年前です。

 その頃の私の左目は、ひどいと黒目が見えなくなるくらい内側に寄っていました。手術は簡単に言うと「外側から筋肉を引っ張って黒目を真ん中で留める」というもの。部分麻酔で意識がある中、壁に張られた「十」の記号とピントが合うまで微調整しながらの手術でした。時間にして30分ぐらいだったかな。

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