具材たっぷりの食事が認知機能を維持し脳の萎縮を抑制する

具材たくさんの食事を心がけて

■献立を考えたり買い物に行くことも好影響

 また、食の多様性が低い群では、カルシウムやマグネシウム、亜鉛、ビタミンA、B群といった食事摂取基準で“取った方が良い”とされている栄養素の推定必要量、推奨量を満たさない割合が多かった。

「つまり、食の多様性が高い群は、栄養学的にも良い食生活を送っていた。加えて、多様性のある食事をするには、献立を考えたり、食材を用意したり、料理または購入するといった健康への配慮が必要です。これが認知機能に良い影響を与えていると考えられています」

 大塚部長が最近行った発表では、記憶力と関係する脳の海馬は加齢とともに萎縮するが、「食の多様性が高い人ほど萎縮の度合いが小さい」というものもある。

 冒頭の地中海食も、さまざまな食品を用いた栄養バランスの良い食事だ。

 今後さらなる研究が待たれるとはいえ、認知機能保持のためには、パンとコーヒーや、牛丼とビールといった食事ばかりはやめ、食卓を彩りよく飾る献立を心掛けたい。

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