そうこうしているうちにガンガン痛みが増してきたので、「1~2分座って休めば治るかもしれない」と思い、保科さんには申し訳なかったのですが、そっとステージの袖に引っ込みました。でも良くなるどころか痛みは強くなり、「これは普通じゃない」となって、スタッフに救急車を呼んでもらいました。
歌わずにステージを降りるなんてプロ歌手として恥ずかしく、お客さまや関係者に申し訳ないと思いながら、人の手を借りてステージ衣装から私服に着替えました。救急車に乗り込んだのは夜7時ぐらい。搬送中「なんだ、この痛みは? もしかしてこのまま死ぬのか?」と心細くなりました。でも夢グループの石田社長が付き添って、ずっと話しかけてくれていたので救われました。話の内容はあまり覚えていませんが、心強かったことだけはたしかです。
病院に到着したぐらいからの記憶はなく、気付いたのは手術も終わった2日後の昼でした。その間、僕はドクターヘリに乗ったようです。
独白 愉快な“病人”たち