このように提供精子を用いて治療を受けられる施設が減っている中で、SNSなどによる個人間での精子提供が増加しています。Twitterで「精子ドナー」と検索すると、多数の匿名精子提供者がヒットします。提供者のほとんどは無償で精子を提供しており、その提供方法は、採取した精子を渡し注射筒(シリンジ)を使って自分で腟内に注入するシリンジ法だけでなく、中には直接、提供者と性交渉を行って精子提供を受けている方もいるようです。このような形態の精子提供はSNSだけでなく、最近では精子希望者と精子提供者を結ぶマッチングサイトもでてきています。
通常、医療機関では感染症について十分にチェックを行ってから精子を提供しています。慶應義塾大学病院では提供された精子はいったん凍結し、感染直後ではすぐに陽性とならない場合があるため、半年間に渡って2回提供者の感染症をチェックし、陰性が確認された提供者の精子のみを使用しています。また、人工授精の際に雑菌などが一緒に入らないよう提供された精液は洗浄を行います。
女性の不妊治療で何が行われているのか