最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

リビングに介護ベッド設置 家族と過ごす時間が自然に増えた

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 在宅医療を開始する前の大切な準備に「環境調整」があります。これは主に患者さんが病院から帰ってくる自宅の療養環境の整備を意味します。

 たとえば、事前に「ベッドが入っていないので自宅の整えが必要」などとケアマネジャー(以下、ケアマネ)さんに申し送りをします。

 本来なら時間をかけて介護ベッドやポータブルトイレ、手すりなど、自宅で療養するための環境を整え、退院を待つのがベスト。しかし、患者さんに残された時間が少ない場合など、自宅へ帰ることを優先し、急いで環境を整えます。

 しかし退院後、自宅に見慣れぬ大きな介護ベッドやポータブルトイレが鎮座しているのを見て拒否感を抱く患者さんもいます。入院前と退院後で本人の状態が変わり、布団ではなくベッドや介護者が必要だと判明することも。その場合はまずは家に帰ってもらい、その後、本人とも相談しながら環境調整をしていきます。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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