最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

上限を超えればそれ以上治療費がかからない「在がん制度」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 在宅医療を取り巻く環境は常に目まぐるしく変わっています。診療報酬は2年に1回改定が行われますが、これはその時の経済情勢、治療方法の進化やケア技術の向上、さらには新薬の登場などを適切に反映させるためのものです。

 例えば2014年の改定時には、老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅などへの訪問診療時の診療報酬が、一軒家の4分の1に改められました。

 というのも、在宅医療は本来、自宅での療養をサポートするもの。しかし、診療報酬をより効率良く得ようと老人ホームなどでのサービスが過度になる流れが出てきたためで、それを食い止めるのが目的だったのでしょう。いずれにしても、在宅医療を巡る環境の変化は、一番困っている患者さんや、そのご家族にとって使い勝手の良いものへとブラッシュアップされていかなければならないと思っています。

 そんな中、在宅医療を受けようとする特に末期がんの患者さん、そのご家族を支える仕組みで「在宅がん医療総合診療料」(在がん)というものがあります。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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