その最期の時は突然訪れました。その日は朝からヘルパーさんが訪問していました。まだ薄いながらも意識のあった患者さんでしたが、その1時間後、2階から息子さんが下りてきた時にはすでに呼吸が止まっていたといいます。
在宅医療のスタート当初、看取りを心配する息子さんに、ご家族はそばにいてあげるだけでいいこと、患者さんがご家族の存在を感じられるだけでいいこと。最期の時、必ずしも医師がいなくても大丈夫。慌てず見守りながら私たちに連絡してもらえればいいことなどを伝えていたため、パニックにならず私たちの到着を待って、静かにその旅立ちを家族と一緒に確認することができました。在宅医療ではご家族の思いの数だけ看取りがあるといえるのです。
最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと