独白 愉快な“病人”たち

写真家・野村誠一さんは悪性リンパ腫に…ステージ4と告げられ動転、家内にお墓の相談まで

野村誠一さん(C)日刊ゲンダイ

 翌日、虎の門病院に行くと、谷口医師は「悪性リンパ腫」だといきなり紙に書かれ、「しあさってから3週間入院してください」と言われたのです。ショックで、そこから先の先生の言葉は聞こえませんでした。

 翌々朝一番でPET検査を受けたとき、「野村さんはつま先から頭のてっぺんまで撮りますから」と言われ、「これはただ事じゃないな」と目の前が真っ暗になりました。

 帰宅してから、遺影と家族写真を撮って翌日入院しました。

 入院するとすぐに骨髄検査となり、悪性リンパ腫の種類は100種類ぐらいあるらしく、どのタイプかを見極めるために腹腔鏡でお腹の組織を採取する手術も受けました。そのとき、「手術の記録」をLEICAカメラ好きの宮崎医師に写真を撮ってもらいました。

 そして生検手術の翌日、血液内科の梶大介医師から今後の説明があり、PET-CTの映像を見せられました。お腹全体がほぼ真っ赤な映像で、「赤いところが全部悪性リンパ腫です」という診断でした。お腹にある大きなものはリンゴ大の腫瘍3つ。あと左肘に卵の黄身くらい、右鼠径部にいくつかしこりがあることを告げられました。

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