■従来の抗がん剤より生存期間が改善
薬物療法は長年、抗がん剤の「シスプラチン」と「ペメトレキセド」の併用が初回治療の選択肢とされてきました。それが最近、免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ」と「イピリムマブ」の併用療法を、従来の抗がん剤併用療法と比較した第3相試験で全生存期間の改善を示し、期待されています。
リンパ球のT細胞にはがん細胞を排除する働きがあり、これにブレーキをかける分子を「免疫チェックポイント」と呼びます。T細胞の表面には「異物を攻撃するな」という信号を受けるアンテナがあります。一方、がん細胞にもアンテナがあり、T細胞のアンテナに結合して「異物を攻撃するな」という信号を送ります。するとT細胞にブレーキがかかり、がん細胞は排除されなくなってしまいます。免疫チェックポイント阻害薬は、T細胞やがん細胞のアンテナに作用して、免疫にブレーキがかかるのを防ぐのです。
がんと向き合い生きていく