療養中には患者さんの最期をどこで迎えるか、自宅で最期の日を迎えるための備え、そのために、ご自宅でどう生活をしていくかといったことを、病院の医師、ケアマネジャーさん、当院で話し合いを重ねていきました。介護の中心にいる娘さんをはじめ、ご家族に納得してもらいながら、一つ一つ丁寧に決め、在宅医療を行っていったのでした。旅立ちの日から半年余り経って、娘さんとお電話でお話をする機会があり、その時にこんなことを伺いました。
「父が倒れたときは、元日にもかかわらず来ていただいて、先生、本当にありがとうございました。元日だったのが懐かしいです。父が逝ってから半年が経ちますが、自宅でこうやって穏やかに見送ることができて本当によかったと思っています」
こういった言葉を頂くたびに、在宅医療に正解は一つだけではない、そのやり方は患者さんの数だけ違うのだと改めて思うのでした。
最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと