思い返してみると、たしかに数日前に生のイカを食べています。土曜の外勤を終えたあと、病院に戻ってやるべき作業がありました。最寄り駅に着いたとき、腹ごしらえしておかなければと思い立ち、たまたま駅前にある回転ずし屋に入り、イカを含めて7皿ほどいただきました。それくらいしか思い当たる節はありません。
入院翌日には、イレウス管が狭窄部位を通過して腸の腫れも引いているのがレントゲンで確認できました。3日ほどですべての症状は改善しましたが、食事の再開前に、万が一を考えて腫瘍がないかどうかを確認するため、小腸内視鏡検査を受けました。小腸は5~7メートルもある長い臓器で、曲がりくねった状態で腹部に収まっています。そのため、一般的な内視鏡では観察が難しいとされていました。しかし、2000年代に入り、スコープにバルーンを装着し、小腸をアコーディオンのように折り畳みながら挿入するダブルバルーン小腸内視鏡が考案され、観察が可能になりました。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」