よく「病院食はまずい」と言われます。順天堂医院では、病院食のメニューは栄養科の管理栄養士が考えていて、1食につき40種類以上のメニューが作られます。たとえば、糖尿病や高血圧がある患者さんに応じた制限食をはじめ、腎臓病食や肝臓病食といったように臓器ごとの食事管理が行われているのです。適切なカロリー、塩分やタンパク質の量などを計算し、それに応じた食材を選んでメニューが作られているため、普段の食事と比べるとどうしても淡泊な薄味になる傾向があり、患者さんは物足りなく感じるのでしょう。
しかし、実際に病気をして病院食を食べたとき、驚くほどおいしく感じました。それを思うと、入院していて食事がまずいと訴える人は、実は入院が必要なほどの病状ではないのではないか、とも感じました。いずれにせよ、それくらい患者さんにとって食事は大切なものなのです。
おかげさまで病気はすっかり良くなり、いまは普段通りに食事を取れていますし、排泄もスムーズです。入院して検査や治療を経験し、健康を取り戻せたことで、患者さんの健康被害に対する不安や治療への期待感、さらには医療スタッフの心優しさなどをあらためて感じることができました。感謝の気持ちでいっぱいです。
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