サッカー選手が心臓疾患で倒れるケースは世界中で相次いでいて、ドイツの新聞では「フットボールにおける心臓疾患の謎」という記事まで掲載されたそうです。それによると、昨年7月11日から10月15日までに欧州全土で起こった試合中の心臓トラブルにより、プロとアマの選手や審判など23人が倒れ、4人が亡くなったとしています。
サッカー選手に限らずアスリートが若くして心臓突然死するケース、とりわけほとんど症状はなかったのに1回目の発作で突然死に至るような場合、心室細動という致死的な不整脈が原因であれば「ブルガダ症候群」が多く、遺伝的な体質による心疾患では「マルファン症候群」の急性大動脈解離を疑い、それ以外では「冠動脈起始異常」が関与しているケースが多いと考えられます。
起始異常とは心臓に栄養や酸素を送っている冠動脈が本来の場所とは違うところから出ている先天性奇形で、運動や興奮による血圧上昇に伴い冠動脈が圧迫されやすくなることで、血流が急に途絶して再灌流障害を起こし、心室細動を招きます。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」