話は変わります。以前、一緒に働いていた看護師長のFさん(50代・女性)のことです。
いつも笑顔で、仕事の様子などいろいろ話してくれるのですが、その日は違っていました。
「口腔科で診ていただいて、『アフタ性口内炎』と言われました。ステロイド軟こうを処方されて使っているんですけど、なかなか治らないんです。もう2週間も経ちます」
確かに、Fさんの下口唇の内側には径1センチくらいの白苔(アフタ)があり、周りが赤く潰瘍となっています。私は「自分も時々そうなるよ。しみて嫌だよね。ん~、早く治るといいね」と答えました。
それから2週間後、Fさんの表情はまだ曇っています。
「先生、あの口内炎は治ったんだけど、今度は左側にできてきてまた痛むんです。もう嫌ですね」
がんと向き合い生きていく