さらに1カ月後、廊下でFさんと会いました。今度は晴れ晴れとした笑顔です。
「口内炎はすっかり治りました。よかったです。私、先週から看護管理室ではなく、病棟勤務になりました。やっぱり職員の管理よりも、患者さんのそばが性に合っている気がします」
Fさんにとって、看護管理室の勤務はストレスが多かったのではないか。私は「Fさんの口内炎は『心因性』だったのかもしれないな」と思いました。
■ひどい口内炎で食事ができなくなり…
口内炎では私自身、つらい思い出があります。学生時代、高熱が出て1カ月ほど入院しました。末梢血液に異型リンパ球がたくさん出て白血病が疑われました。病気は幸いウイルス感染症と分かったのですが、この時、抗生剤の投与が続いたせいもあったのかもしれません。口内炎が口腔全体に広がり、痛みでまったく食べられなくなってしまいました。
がんと向き合い生きていく