原発不明がんの治療薬が世界初の承認 治療はどう変わるのか

原発巣が不明の場合、治療が立てにくかったが…(C)日刊ゲンダイ

「血液検査や尿検査、画像検査などで生検可能な部位を見極め、組織学的診断を並行して原発巣を推定します。特殊な免疫組織化学、遺伝子・染色体検査、遺伝子プロファイル検査を行うこともあります。しかし、それでも原発巣が不明なことが多い」

 原発巣が推定されれば、その推定原発巣に準じて治療を行う。原発不明がんの15~20%を占め、比較的予後がいい。

 しかし残りの80~85%は原発巣が推定できない。こういった患者の標準治療は確立されておらず、抗がん剤治療の一種であるプラチナ併用化学療法か、臨床試験への参加か、症状緩和のみを行うベストサポーティブケア(BSC)か、のいずれかが行われる。

「原発不明がんの予後はばらつきがありますが、予後不良群では6~9カ月と報告されています。しかし今回ニボルマブについて、原発不明がんの適応拡大が承認された。これは非常に意義があることです」

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