■「生存期間6~9カ月」が延びる可能性
臨床試験では、腫瘍が30%以上に縮小することを治療の有効性を示す主要評価項目とした。予後不良の原発不明がん(抗がん剤既治療例45例、未治療例11例)のうち、既治療例の奏効率は22.2%、治療歴を問わない全体では21.4%と、ニボルマブの抗腫瘍効果が示された。
また、既治療例の病勢制御率(完全奏効・部分奏効・腫瘍の大きさが変化しない安定の合計)は53.3%、無増悪生存期間の中央値は4カ月、全生存期間の中央値は15.9カ月。前述の通り、原発不明がんは一般的に予後不良であり、生存期間の中央値は6~9カ月と報告されているので、かなり延びている。
今後、原発不明がんの治療で一層重要となってくるのは、予後良好群か予後不良群かを速やかに判断し、治療を開始すること。原発巣の見極めに要する期間をガイドラインでは1カ月程度をめどとすべきとしている。