Dr.中川 がんサバイバーの知恵

カナダのM・パロ選手はスノボで金メダル 悪性リンパ腫は完治の可能性が高い

マックス・パロ選手(C)ロイター

 パロ選手が発症したのは23歳。その年齢だと、小児に準じた治療が行われたかもしれません。小児タイプのリンパ腫の治癒率は9割に上ります。パロ選手が雪上に戻り、ナンバーワンになったことが、この病気が治りやすいことを物語っているでしょう。

 日本に多い非ホジキンリンパ腫は、さらに細かく分類され、70代に多く見られます。病理診断でどのタイプかを見極め、治療をしっかりと吟味することが重要です。

 池江璃花子さんが克服した白血病もそうで、リンパ腫も治療中は抗がん剤のダメージに苦しめられますが、この2つは完治の可能性が高い。早期に発見して治療をしっかり受ければ、その後の人生を楽しむことができるのです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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