世界は「BA.2」を越えてウィズコロナに向かっている 医療情報学の専門家が特別寄稿

花見に出向く人も増えたが…(C)日刊ゲンダイ

 では、日本はどうだろうか。

 2月4日からの7日間がBA.1のピークだったが、諸外国と比べれば、かなり低い水準(75.1人)に抑えられてきた。ヨーロッパやアメリカだったら、躊躇なく行動制限などの緩和を進めるような数字である。現在は30人前後で足踏み状態とはいえ、各国と比べれば深刻とは言えない。

 日本でもウイルスの入れ替えが進んでいるようで、報道によれば、東京都の新規感染者の4割近くが、すでにBA.2になっているらしい。したがって、4月下旬ないしゴールデンウイークにかけて、もうひと山来る可能性が高い。

 それを第7波と呼ぶか、第6波の続きとみるかは、本質的な問題ではない。それよりも、そうなったときに再び行動制限を強化して社会を後戻りさせるのか、勇気を持ってウィズコロナに向かうのかが、より重要である。その決断に、日本の将来がかかっているように思われるのである。

(永田宏/長浜バイオ大学メディカルバイオサイエンス学科教授)

4 / 4 ページ

関連記事