鼠径ヘルニアの腹腔鏡下手術(TAPP法)では、3~5ミリの穴を3カ所開け、そのうちの1つの穴から腹腔鏡を入れてカメラでお腹の中を映します。このとき、お腹は二酸化炭素のガスを入れて膨らませています。
外科医は腹腔鏡のカメラで撮った映像をテレビモニターで確認しながら、別の2つの穴から入れた棒状の手術機器を操作し、お腹の中からメッシュで穴を塞ぎます。
前述のように、腹腔鏡手術では3~5ミリの穴しか開けません。切開手術とは比較にならないほど小さなキズで済むため、日帰りが容易となるのですが、それでもメッシュの大きさによっては、腹部のキズが大きくなるという問題がまだありました。
それを私たちはさらに小さなキズでメッシュを挿入できるシステムを発明し、2017年には特許も取得しています。
そんな日帰り手術が年々患者さんにとってより身近になってきているということを、ある60歳代の患者さんが口にした印象深い言葉を聞いて、改めて実感できました。
手術は日帰りでここまでできる