健康長寿に役立つ高齢薬膳

【昆布】「腎」の働きを高めて利尿と快便を促すデトックス食材

切り昆布ともやしのナムル風(提供写真)

 気が付くと足がパンパンに腫れて、ひどく重だるい……。足のむくみはシニアに多い悩みです。主に生活習慣と加齢による筋肉の衰えによって、水分が足に停滞することで引き起こされます。

 年を重ねるにつれて座っている時間が長くなり、足を動かさないために下半身のリンパの流れが悪くなって、ふくらはぎに水分がたまりやすくなります。さらに筋力が低下して、歩行の際に足をしっかりと動かせず下半身の血液を押し流せないことも、むくみにつながります。足のむくみが慢性化すると、歩きづらくなったり、痛みが表れるケースもあります。早めに改善を図りましょう。

 中医学では、足のむくみは「腎」の機能低下にあると考えます。腎は老化をつかさどる臓器であるとともに、水分代謝の調節も行います。腎の働きによって、不要な水分は尿として排泄し、必要な水分は全身へ運ばれるのです。

 加齢で腎の働きが衰えると、尿の排泄がうまくいかなくなり、下半身がむくみやすくなってしまいます。改善のためには、腎の働きを高める食材を取り入れることが大切です。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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