ビフィズス菌が記憶力低下を予防する 名古屋市立大教授が実験で確認

腸からアプローチ(写真はイメージ)

 この論文は国際的なアルツハイマー病の学術誌「Journal of Alzheimer's Disease」で2020年7月に公開されている。

 では、なぜ認知機能が改善されたのか?

 アルツハイマー病モデルマウスを使い研究を行ったのが、名古屋市立大学大学院医学研究科神経生化学分野の道川誠教授だ。

「アルツハイマー病は20年以上かけてアミロイドβが脳の中に沈着し、それによって脳の中で神経細胞やシナプスの減少、グリア細胞の活性化、炎症などが引き起こされ、発症すると考えられています」

 研究ではまず、アミロイドβ沈着前の3カ月齢のマウスにMCC1274株を4カ月間投与し、認知機能を新規物体認識試験で評価した。

 新規物体認識試験は、新しい物体に興味を示すマウスの性質を利用したものだ。

2 / 5 ページ

関連記事